50歳を越えてからは、なにごとについても「しない」ということを方針にする。これはきわめて重大なことである。この時期に習うこととは、まず演目の数を少なくすること。そして音曲を中心にし、演戯は淡白に、舞なども技芸の型は減らし、昔日の華麗さの名残を見せるようにすべきである。

世阿弥